
ちょっと待って。
君は、本当に何も伝えたいことはないのかい。
人間誰しも体調のよくない日がある。
そういう日は、気づかないうちに表現力と理解力、脳みそをしっかり使うべき場面で使うことができていない場面はたっくさんある。
そうやって脳みそを動かせない日は、一人になってしまう事が多い。
一人になると余計に頭の中は偏った思考に支配されていく。
その、偏ってるかもしれない自分の思った事を相手に伝えなければ、偏っているかもしれない自分で受け取ろうとしなければ、いつかは歯車のズレが止まらなくなる。
一度ズレ始めたらもう止まらないだろう。
伝えたい事がうまく言葉にできず、言葉をうまく理解できない。そんな悪条件の重なった日が、まさに昨日。
言葉は生み出された瞬間意味を持たなくなり、全く逆に他人へ伝わっていく。
それに気づいたとき、それを相手に伝えるのは本当にこわい。
それは悪条件が重なった日であるから、最悪、相手にひどく不快な意味を持つ言葉としても伝わってしまうかもしれない。
それでも言わなくてはならない。
向き合わなければならない。
見つめなければならない。
君が勇気を出して言う言葉が、今日の私を全て真逆に変えてしまうような、脳みそをかき回されたような気分になった。
もうすぐで戻れなくなるほどの恐怖に飲み込まれるんじゃないかなんても思った。
それでも一度冷静になって、さらに貴女の話を聞き出そうと思った。
この身も心も裸にして抱きしめるように言葉を受け止めたら、どんな日だとしても真っ直ぐに伝わるはずと信じて。
そうしたらほら、全部上から眺めるように気持ちが伝わった。
痛くて逃げたくなったけど、向き合ってまた一つ、近づいて、強くなった。